昨日は後輩にインタビューを受けました
質問された内容な何となくしか覚えていないのですが、
日本の中医と中国の中医には違いはありますか?という質問がありました。
そもそも日本には”中医”というカテゴリーがなく、”東洋医学”という学問があります、というだけで中医専門の学校があるわけでもないですし、病院で中医医師による”中医”が受けられるわけではないです。(日本では鍼灸師と薬剤師、のように分かれている)。
病院=西洋医学なので、”中医的”な治療を受けるには個人でやっている診療院、いわゆる自然治療をおこなっているところや、鍼灸院など。漢方が飲みたければ漢方を取り扱っている薬局に行く感じですね。普通の病院でも漢方(方剤)は出してもらえますが、処方するお医者さんは”西洋医学”のお医者さんなので、その時点でちょっと違いはありますよね。以前ブログの中でも話している内容で、西洋医学と中医学の違いについて、で触れているのですが、西洋医学というのは病気に対しての対処法なので漢方を処方する観点がもう違うわけなんですね。もちろんそれでは治療になりません。
よく患者さんで、『この漢方飲み続けたら〜〜の病気になるんですか!?おそろしい!』とか、そもそも同じ漢方をずっと飲み続ける、といった飲み方ってすごく西洋医学的なんですね。 もちろん慢性的な病気の治療で長期的に同じものを服用しないといけない時がありますが、急性的な問題で、それを長期的に飲んだり、体をすごく冷やしてしまう漢方を長期的に飲んでいると別の病気をうむのはあたり前。
そもそも私達毎日同じ料理を1カ月なんて食べ続けたら病気になりますよ。別のメニューに対して、何か体が必要な成分を少量毎日取り続ける、といのにはとても良いことなんですが、例えば麻婆豆腐だけを半年間毎日食べ続る。全く同じレシピのカレーを半年間食べ続ける。ファーストフードを半年間毎日食べ続けるとなると西洋医学の医者でもドクターストップを出します。
体がアレルギー反応を起こします。動物も同じなんです。犬も毎日ずっと同じドッグフードを食べ続けると病気になります。たまに別のブランドのドッグフードに変えてあげたり、違うものを食べさせたりしないといけないです。
なぜかというと、私達の体は毎日変化しています。それなら治療するために飲む漢方も変化しないといけないわけです。
特に女性は生理もあるし、排卵日もあるし、例えば風邪をひいてて、パートナーと大喧嘩をした、ショックなことが起きた、これで体は影響を受けるわけです。そうすると体が出す症状は変わるので、もちろん服用する漢方も変わってくるわけです。
病気が深刻な方で病院で治療が難しい、点滴、飲み薬を飲んで抑えるだけしか方法がない方々は、毎日観察が必要で、その時の状態によって漢方の処方を変えていかなければなりません。時にはそこに針治療を加えることで効果を発揮することもあります。
中国自体”中医”という文化があり、生活の中に中医が溶け込んでいるので、小さい時に病気になった時に母が中医的な治療をしてくれた、など、普段気をつけている養生法などがあります。
日本には”中医科”というものが存在せずに、鍼灸、薬剤師、などに分かれていて、西洋医師が漢方を処方している時点で、これはもう本来の中医を失っています。
中医は本来『消化器科』『泌尿器科』『産婦人科』などに、『なになに科』というふうに分かれていないんです。体は一つなので、これだけを治療、というわけにはいかないのです。そこに問題が起きているのはそこだけに問題があるからではなく、全体的に調整する必要があります。
血圧が高いので、血圧だけを下げたいです。なんて人間はロボットのようにピンポイントで引き算のようにそこだけを下げる、というわけにはいかないです。
実際血圧が高いのも、血管だけの問題ではないです。肝臓、心臓、腎臓、脾臓と全てに関係してきます。
というように、やはり日本、中国との中医に違いが出てきてしまいます。
今中国でも中医の西洋化が進んでいます。確かに西洋化すると勉強する側、医者側からとしてもとても都合が良く(お金の面、勉強、使用の面から)、AI化が進んでいますが、しかし人間の体はロボットのようにできていないので、西洋化してしまうと治療効果もグンッと下がってしまいます。
実際中医を勉強するための学校ではかなりシステム化されています。。。それから抜け出すのにも一苦労です。。
本格的に中医の治療を受けるにはやはり中国での治療が適しているのだと思います。
治療に関わらず、本格的に中医の勉強をするとしても中国で勉強するのが的確だと思います。
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