自律神経の乱れ(肝タイプ)はなぜ繰り返す?中医医師が臨床目線で解説

中医学知識

「また同じことでイライラしてしまった」

「ストレスがかかると必ず体調を崩す」

肝タイプの自律神経の乱れは、“繰り返す”のが特徴です。

なぜ繰り返すのでしょうか。

それは単なるストレスではなく、“巡らせる力の弱さ”が背景にあるからです。

そもそも中医学でいう「肝」とは?

今回は「自律神経と関係ある部分」に絞って中医学でいう「肝」の特徴などを紹介します。

中医学でいう「肝」は、西洋医学の肝臓とは少し意味が異なります。

臓器のことだけを指すわけではなく、肝臓の機能のことを見るので中医では「肝臓」とは言わず、

「肝臓」というと、臓器、即ち形あるもの、解剖学的の「肝臓」を指すことになるので、中医では「臓」をとって「肝」、というんですね〜〜。

わかりずらいとダメなので「肝臓」という事はあります。私も患者さんにお話しする時や、文章で分かりやすいように「肝臓」言います。

「肝」は単に解毒や代謝を行う臓器ではなく、体全体のバランスを調整する“調整役”のような存在です。

肝の主な役割は大きく2つあります。

  • 疏泄(しょせつ)機能
  • 血液の貯蔵

疏泄作用気の流れをスムーズにする

     感情をコントロールする

血液の貯蔵

① 気の流れをスムーズにする(疏泄作用)

肝のもっとも重要な働きは、「気の巡り」を整えることです。

ここでいう“気”とは、体を動かすエネルギーのこと。

イメージで言えば、肝は体の中の“交通整理役”。

道路がスムーズなら車は流れますが、渋滞するとイライラし、事故も起こります。

同じように、気の流れが滞ると

・イライラ

・ため息

・胸のつかえ

・緊張

・下痢、腹痛、胃痛

・月経困難、射精困難など

・自律神経の乱れ

などが起こりやすくなります。

② 感情をコントロールする

中医学では、肝は「怒」の感情と関係すると考えます。

怒りだけでなく、

・焦り

・我慢

・抑圧

・ストレス

も含まれます。

感情を抑え続けると、肝の働きが滞り、自律神経が過緊張状態になります。

③ 血を蓄え、巡らせる

肝は「血(けつ)」を蓄える働きがあります。

ここでいう血は、単なる血液ではなく、体と心を潤す栄養のようなものです。

特に夜は、血が肝に戻る時間とされます。

そのため、肝のバランスが乱れていると、

・夜に目が覚める

・夢が多い

・寝つきが悪い

といった不眠

・目のかすみ、視力低下

・痺れや痙攣

・こむら返り

・爪の質が悪くなる

・閉経

なども起こりやすくなります。

つまり肝とは

  • 気を巡らせ
  • 感情を調整し
  • 血を蓄える

自律神経と深く関係する臓腑なのです。

だからこそ、ストレスが続くと、まず肝が乱れ、自律神経に影響が出やすいのです。

なぜ現代人は肝が乱れやすいのか?

現代はストレス社会です。

常に情報に晒され、

  • 緊張
  • 我慢
  • 責任
  • 競争

が続きます。

これは肝にとって大きな負担です。

実は肝臓はストレスに強いが敏感な臓器なんです。

そして肝の気を乱してしまう原因は、

  • 夜更かし(睡眠のゴールデンタイムに起きている)
  • ストレス
  • 感情の抑圧
  • 怒り
  • 長期的な緊張
  • 休肝日がない、淫酒(いんしゅ)
  • 長時間のスマホ・パソコン
  • 長期的な西洋薬の服用
  • 無理を重ねる生活

その結果、自律神経の乱れが起こりやすくなります。

春は「肝の季節」と言われています。春と秋は気分が下がる人が多く、肝タイプの症状が悪化しやすくなります。(*春にイライラや頭痛が増える、秋は気分が落ち込みやすい)

肝タイプになりがちな思考習慣

1. 完璧であろうとする

「ちゃんとやらなければ」

「迷惑をかけてはいけない」

この思考が、無意識に緊張を生みます。

2. NOと言えない

断ることが苦手で、予定を詰め込みがち。結果、常に忙しくなり、気が滞ります。

3.白黒はっきりさせたがる

グレーな状態が苦手。しかし人生は常にグレーを含みます。

肝タイプは“柔らかさ”を持つことが大切です。

4.感情を抑え込む

怒りを出すことは悪いことではありません。中医学では、怒りは自然な感情のひとつです。

問題なのは「溜めること」。

5.せっかち

いつも焦っていて、食べるのも、話すのも、なんでも早い。

深呼吸、瞑想などリラックスが必要

6.焦慮

常に色々考えすぎて、細かいことにも敏感に考えてしまう。

瞑想や、ヨガなど、呼吸をゆっくり焦らずすることが大事です。

肝気の高ぶりを鎮めてくれる漢方

普段患者さんに常備していただいている漢方というのがあって、それらを紹介します。

とにかく無性にイライラする方に〜!

加味逍遙散 ↓

【第2類医薬品】ツムラ漢方 加味逍遙散エキス顆粒 48包【24】

これは非常に役に立ちます!!!!絶対家に常備しておいて損のない漢方で、誰でも飲めるものです。人間ですもの、誰だってイラっとすることはある!

そう、この漢方は無性にイライラする時に飲みます。大体一袋飲むと治る優れもの!!

まさしく自律神経が乱れている状態です!

私の旦那さんも、ある日仕事が忙しく、プレッシャーとストレスが重なり、温厚な性格の旦那さんが家でイライラしている様子を見せたことがあります。

(私からみていつもと違った刺々しい話し方をしたり⤵︎😖)

なので加味逍遙散を一袋あげました。5分も経たないうちになんかスッキリした様子で、「これいいね!」と、私が何も言わなくても、イライラしている時は自ら飲むようになりました🤭

私も性格としては楽観的でイライラするタイプではないのですが、たまに生理前とかになると無性にイライラすることがあるので、加味逍遙散を飲みます。大体一袋でおさまります。それでもイライラが続く場合は一日3回、3日間ほど飲みます。(食前の服用が良い)

性格的にイライラしやすい方は1日3回7〜10日継続して服用して良いです。

お子さんの癇癪にも飲ませると落ち着きます😜

それでも軽減されない場合は他に原因があるので、お問合せいただくか、近くの漢方を処方される先生に見ていただくことをお勧めいたします。

その他、

  • 夜になっても脳が興奮状態で眠れない
  • 目がしょぼしょぼ頭痛がする
  • 生理前の胸の張り・痛み
  • 生理の周期が短く血の量が多め
  • 更年期で体がほてって汗が出る
  • などの症状にも良く効きます

*1日3回で3日連続して飲んでも全く変化を感じられない場合は他に原因があるので、加味逍遙散だけでは対応ができないです。その場合は問い合わせいただくか、漢方を処方される先生に相談してください。

粉が苦手の方は錠剤もあります ↓ そしてすぐ飲みたい!という方!こちら素早く配送してくれます!

【第2類医薬品】ビタトレール 加味逍遙散エキス錠「創至聖」 360錠 [【ゆうパケットパフ・置き配専用(送料込)】・他の商品と同時購入は不可]

2、柴胡疏肝散

【第2類医薬品】 松浦薬業柴胡疏肝湯エキス細粒【27】 2g×48包 ( さいこそかんとう・サイコソカントウ ) マツウラの漢方薬 【松浦漢方】ストレス 腹痛 脇痛 神経痛 【O-27】

1日2回の服用、やはりこちらも三日飲んで全く効果を感じられなければ服用停止。

効果があれば7日から10日ほど飲むと良いです!

こちらもイライラに効きます。が、加味逍遙散と何が違うのか!?

こちらはどちらかというと悩んで、気持ちがスッキリしない状態の方に向きます。

何かを思い詰めていて、気持ちを抑え込んでいて怒りがあるような。

加味逍遙散は気持ちを抑えて怒るよりも、ただただ無性にイライラ、

柴胡疏肝散は気持ちを抑えすぎてイライラしている状態の方。

その他、

  • 胸がつっかえる・胸が苦しい
  • 頻繁にため息をつく
  • 膨満感
  • 思い詰めてクヨクヨ悩んでいる
  • 脇腹がずっと痛い
  • 悩みすぎ・イライラ、怒りで胃痛がする

*1日2回で3日連続して飲んでも全く変化を感じられない場合は他に原因があるので、柴胡疏肝散だけでは対応ができないです。その場合は問い合わせいただくか、漢方を処方される先生に相談してください。

3、抑肝散

定形外)【第2類医薬品】ツムラ漢方 抑肝散エキス顆粒 20包【54】

1日2回の服用、やはりこちらも三日飲んで全く効果を感じられなければ服用停止。

・騒音など、人の騒いでいる声や音が気になってイライラ、もしくは怒ったり、

・自分のものを誰かに触られたり、動かされたことが気になり怒ったり、

・誰かに意見を言われたり、自分が考えている事を反対されて怒ったり、

・幼少期のお子さんの癇癪、思春期の敏感な時期のお子さん、

・神経質な方や

・頑固気質で笑うことをしない

・性格的にせっかち

・性格的に色々考え過ぎて興奮していて中々寝付けない

・よく歯軋りをする

・落ち着きのないお子さん

などに使えます。

・頻繁に泣いて中々泣き止まない赤ちゃんには、お母さんが抑肝散を飲むことによって母乳を通しお子さんに効果をもたらします。

*1日2回で3日連続して飲んでも全く変化を感じられない場合は他に原因があるので、抑肝散だけでは対応ができないです。その場合は問い合わせいただくか、漢方を処方される先生に相談してください。

などの漢方が市販で購入できます。

*他にも色々ありますが、色々な症状が組み合わさった複雑な状態の場合、単純に”これ”とは選べないので、漢方の詳しい先生にお問い合わせいただくのが良いです。

大切なこと

肝タイプは弱いのではありません。

感受性が高く、エネルギーが強いタイプです。

そのエネルギーが滞ると不調になり、流れると大きな力になります。

自律神経を整えるとは、

「我慢すること」ではなく

「上手に流すこと」。

それが肝を守る養生の本質です。

*不明点、〈用法・用量〉は添付文書の内容通り、もしくは購入先にお問い合わせください。

※漢方薬は体質(証)に合わせて選ぶことが重要です。

本記事で紹介している内容は一般的な参考情報であり、すべての方に当てはまるものではありません。

服用前には医師または薬剤師などの専門家へご相談ください。

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